「中学校の部活、外部コーチを雇うようになるの?」
この疑問は、これからの部活動を考えるうえで重要な論点です。
結論は、外部人材の関与は増える一方で、国の大きな方向性は “学校の部活動を、地域と連携して回す(地域展開)/地域クラブ活動として地域で実施する” という流れです。
この記事では、先生向けに「何がどう変わるのか」「負担は軽減されるのか」を整理します。
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- 1 部活の地域移行は3パターン
- 2 先生の負担は「ゼロになる」というより「性質が変わる」
- 3 先生が先に整理したい「重要ポイント」チェックリスト
- 4 教員向けQ&A
- 4.1 Q1. 中学校の部活は外部コーチ(外部指導者)を雇うようになる?
- 4.2 Q2. 部活動指導員とは?外部コーチ(外部指導者)と何が違う?
- 4.3 Q3. 部活動指導員は大会の引率ができる?
- 4.4 Q4. 外部指導者(外部コーチ)だけでは大会引率が難しい、と聞いたが本当?
- 4.5 Q5. 地域移行(地域展開)は、いつまでにどう進む?
- 4.6 Q6. 地域展開は休日だけ?平日はどうなる?
- 4.7 Q7. 地域クラブ活動になったら、顧問(教員)は完全に外れる?
- 4.8 Q8. 外部コーチが入れば、先生の負担は確実に減る?
- 4.9 Q9. 学校として、最初に決めておくべきことは?
- 4.10 Q10. 最新情報はどこで確認すればいい?
- 5 まとめ:外部コーチは増えるが、鍵は「地域展開」と「事前の線引き」
- 6 参考資料(出典)
部活の地域移行は3パターン
現場では「外部コーチを入れる」と一言で語られがちですが、制度や運用は複数あります。大きくは次の3つです。
① 外部指導者(コーチ)を入れる
いわゆる「外部コーチ」。技術指導を手伝ってくれる枠です。
ただ、ここは自治体運用次第で、責任の所在や引率の扱いが曖昧になりやすいのが弱点になりがち(だから制度化が進む)。
② 部活動指導員(制度として位置づけられた外部人材)を入れる
部活動指導員は、学校教育法施行規則に位置づけられ、校長の監督を受けながら 技術指導や大会への引率等を職務として担う整理がされています。
「外部コーチはいるけど、大会引率は結局先生が…」が減る可能性があるのは、この枠が広がる時です。
③ 地域クラブ活動(運営主体が学校の外へ)
休日を中心に、学校単位ではなく地域クラブ活動として地域で実施する方向性が示されています。この形が進むほど、「学校が活動を直接運営する」前提から、地域と連携して機会を確保する前提へと重心が移っていきます。
先生の負担は「ゼロになる」というより「性質が変わる」

地域展開や外部人材の活用が進むと、練習に直接立ち会う時間が減る可能性はあります。
一方で移行期は、次のような調整・設計の業務が増えやすいです。
- 学校と地域(クラブ)と保護者の連絡調整
- 安全管理のルール整備(事故時の連絡フロー等)
- 名簿・保険・費用負担の整理
- 引率や責任の線引きの明確化
また、指導者確保や謝金の財源確保が課題になりやすい点も、資料で繰り返し指摘されています。文部科学省
ここを曖昧にしたまま進むと、結果的に「最終的には学校(教員)で対応」という形に戻りやすいので、学校側としては“先に決めるべき事項”がはっきりしています。
先生が先に整理したい「重要ポイント」チェックリスト
教員向けQ&A
Q1. 中学校の部活は外部コーチ(外部指導者)を雇うようになる?
A. 外部人材は増えますが、本線は“地域展開”です。
文科省ポータルでは、休日の部活動は段階的に地域クラブ活動として地域で実施していく方向が示されています。
「学校が直接雇う」だけでなく、自治体による配置・委託・認定制度等を通じて、地域の仕組みとして回していく形が増えていきます。
Q2. 部活動指導員とは?外部コーチ(外部指導者)と何が違う?
A. 制度化された外部人材で、職務や監督関係が整理されています。
資料では、校長の監督を受け、技術指導に加えて大会・練習試合等の引率、会計管理、保護者連絡、事故発生時の現場対応等も職務として挙げられています。
Q3. 部活動指導員は大会の引率ができる?
A. 制度上は、引率等も職務に含める整理になっています。
ただし、実際の運用(大会主催側の要件、学校の安全管理、緊急時連絡、保護者対応など)は自治体・学校の体制次第です。学校としては引率の主体と責任分担を文書化しておくと安心です。
Q4. 外部指導者(外部コーチ)だけでは大会引率が難しい、と聞いたが本当?
A. 「責任の所在が不明確」等の理由で課題があると整理されています。
資料では、活動中の事故等に対する責任の所在が不明確になりやすいことなどから、外部指導者だけでは大会等に生徒を引率できない旨が示されています。
Q5. 地域移行(地域展開)は、いつまでにどう進む?
A. 2031年度までに“休日の原則すべて”の地域展開を目指す方針が示されています。
2025年5月16日に最終とりまとめ決定が公表され、国として認定制度の構築、財政支援、相談窓口・アドバイザー派遣等を進める旨も示されています。
Q6. 地域展開は休日だけ?平日はどうなる?
A. 国の強い打ち出しは休日で、平日は自治体差が出やすいです。
まず休日から地域クラブ活動として地域で実施していく方向性が明確で、平日については受け皿・人材・財源により段階的になるケースが想定されます。
Q7. 地域クラブ活動になったら、顧問(教員)は完全に外れる?
A. 全国一律で「完全に外れる」と決まっているわけではありません。
ただし、休日については地域で実施する方向が明確であり、関与の在り方は今後さらに整理されていくと考えられます。
Q8. 外部コーチが入れば、先生の負担は確実に減る?
A. 活動に立ち会う時間は減り得ますが、移行期は調整業務が増えがちです。
特に、連絡調整・安全管理・費用負担・保険・引率などの設計が不十分だと、学校側の対応が残りやすいので、先にルールを固めることが重要です。
Q9. 学校として、最初に決めておくべきことは?
A. 「引率」「事故対応」「費用」「指導ルール」の4点を優先すると整理しやすいです。
部活動指導員や外部指導者の位置づけに加え、事故時の連絡フロー、費用・会計の主体、指導上の基準(不適切指導の防止)までをセットで整備しておくと、移行期の負担が抑えやすくなります。
Q10. 最新情報はどこで確認すればいい?
A. 国の全体像は文科省「部活動改革ポータル」、方針更新は文科省の公表資料が確実です。
まずポータルで全体像を押さえ、自治体の計画(教育委員会の案内)で自地域の時期・運用を確認するのが実務的です。
まとめ:外部コーチは増えるが、鍵は「地域展開」と「事前の線引き」
外部人材が関与する流れは強まっています。
ただし、最も重要なのは「外部コーチを入れるかどうか」だけではなく、地域展開の中で、引率・安全管理・費用・指導ルールをどう設計するかです。国の方向性(休日の地域展開)を前提に、学校として先に整理を進めておくと、移行期の混乱と負担を小さくできます。













